「…そしたら急に
 家の扉が開いてね。



 男の人がひとり、
 立ってた。





 その人に声を掛けた
 お兄ちゃんは
 気づいたら倒れてて。


 
 あたしは、
 それが悲しくて泣いたの」





そこまで話した麗は、


ふーっと

深く息を吸うと
また無表情に戻った。








「…泣き叫んだ
 あたしの目の前には、



 お父さんが居てね。





 あたしは
 久々のお父さんが嬉しくて
 抱き付こうと足を動かした…。





 

 …だけど、


 その瞬間…









 


 耳が痛くなる
 大きな音が部屋中に鳴り響いた…」