--玄関はすぐそこなのに あたしはドアに手を掛けることが 出来ずにいた。 …目、真っ赤だし 竜聖の顔、見れない… …だけど… 「っ…!!」 ガチャと、 気づかれないように 静かにドアを開けると そのまま浴室へ急ぐ。 「お母さーん!! お風呂先入るねー!!」 そう、叫ぶと 「おかえりー!」 と、お母さんも同じように 大きな声で返してくれる。 そのことにホッとし、 あたしはまたお風呂で涙を流した。