後ろから声がして、
バッと勢いよく振り向くと
「しかも見ての通り、
金属バットやナイフを
持ってますね」
真剣な眼差しの竜聖。
「そのうち、
獣牙幹部のみなさんも
くるはずです。
麗さんは…
…怪我だけは
しないで下さい」
そう言った竜聖は、
"喧嘩は控えてください"
きっと
この言葉を飲み込んだ。
だって、
こんなにも悲しそうに笑うから。
言われなくても
分かってしまう。
「ごめんね、竜聖。
あたしは、
関係ない人たちだけじゃない。
黒龍の大切な仲間、
竜聖も救いたいんだよ。
知ってる?
守りたいものがある人は、
強くなれる。
あたしには、
獣牙の幹部や、竜聖。
この学校の生徒。
こんなにも守りたい人が
たくさん居る。
だから、大丈夫。
あたしを信じて」

