クラスに一人は苦手な奴って居ると思うんだ。


当然俺にもいるわけで……


しかもソイツとは高校三年間同じクラス。


残念な腐れ縁だ。



そしてその苦手な奴――箕島 貴之(ミシマ タカユキ)と現在、教室に二人きりという残念な状況にある。



正直笑えない。


それもこれも委員を決めるジャンケンに負けてしまったせいだ。


なぜあの時……


グーを出してしまったのか…!


後悔先に立たず。


なってしまったものは仕方がない。


さっさと仕事を終わらせて帰宅したい。


のに、目の前のこいつは全く仕事を手伝わないときた。


作業をする俺をニコニコと頬杖をつきながら眺めてくるだけ。


「なぁ、箕島」
「んー?」
「ちょっとは手伝ってくれないか?そうすれば早く帰れるし。」
「んー、そうだね。でも嫌。」


ニコニコと笑いながら拒否。



俺はこいつのこういう所が苦手だ。


人を小馬鹿にしたような態度が勘に触る。