橋本は、よく俺に話しかけてくれた。





俺は、帰国子女であるせいか、あんまりクラスに馴染めなかった。





クラスのやつらは、俺に気を使ってくれた。



だからこそ、何か一線が引かれている感じで、嫌だった。





『一条くん、次は音楽だよ。--あ、ごめんね。音楽室の場所わかる?』




『だから、あの歌手の良さは-ー』


『日本人歌手のこと、一条は知らないだろ。今はやめとけよ。』




『古文の意味わかった?アメリカにいたんじゃわかんないよな。』


『バカ。そんな話してもついていけないでしょ。もっと他の話題にしなよ。』