「卒業おめでとう。」 美幸は俺の墓の前でそう言った。 そっか。 俺も卒業したんだな。 本人は気付いてないかもしれないけど、その瞳からは一筋の涙がこぼれ落ちた。 優也としっかりと手を繋いだ美幸。 優也と恋人なんだよな。 もうその右手には、俺があげた指輪はない。 俺からは見えても、聞こえても。 美幸からは俺は見えない、聞こえない。 それでも呼びかけてみる。 『美幸。』