後輩たちは、名残惜しそうに他の卒業生のもとに行ってしまった。
「いい後輩にも出会えたね。」
「そうだね。」
この三年間、水泳部に入ってから辛いことも苦しいことも希望と乗り越えてきた。
こんなにもいい後輩にも出会えた。
「それじゃあ、私はそろそろ行くね。
美幸の王子様も待ってるみたいだし。」
希望の視線の先には、さっきから私を待っているらしい優也の姿。
「美幸。これからも連絡とろうね。」
「うん。」
「これからも親友でいようね。」
「当たり前だよ。」
「幸せになってね。」
「……希望こそ、幸せになって。」
希望は最後にニコッと笑って、校門へと向かった。

