瑠衣は、本当に優しい人だから。
温かい人だから。
「私から彼には、愛と感謝でいっぱいで、他の人を想いたくなかった。」
瑠衣との約束は、二度と叶わなくても。
私は夢を見たかった。
「どうしてっ、他の人を思ってしまうのぉっ!」
自分が許せないから、
認めたくなかった。
悲劇のヒロインで良かった。
一生、自分を許したくないから、悲劇の中に閉じ込めておくつもりだった。
「ごめんなさいっ!」
涙を流しながら、再び床に額をつけた。
土下座なんかで許されない。
ただ、謝るだけじゃ許されない。
でも、私が出来る、最高の謝り方はこれしか知らない。

