「実は、“空の青を映している” っていうのは間違いなんだ。
実際は、太陽光の影響。
空中に虹が出来るとき、太陽光の屈折で色が付くだろ?それと似たようなもの。」




瑠衣が言っていた、ロマンチックのようなものじゃなかった。




「俺たちが、祖父から聞いた時、空から映ったって聞かされた。
けど、後から調べたら、太陽光のせいだってわかって、俺たちもガッカリしたんだ。」




哉也さんは苦笑しながら、語った。





「どんなに美しくても、それが真実とは限らない。
その美しさは偽物で、真実は知りたくないことかもしれない。」




それでも、と続ける哉也さん。



その姿は……まるで壊したくない何かを、壊してしまう人の顔だった。





関係を壊してしまうのに、告白した瑠衣。



本当の想いを告げた優也。




哉也さんの顔が、2人の顔と重なった。