図星だったから、ビックリした。




顔をあげると、声の主は微笑んでいた。



それは、彼と同じ微笑みだった。




優しくて、温かくて……




「哉也さん……」



「その言葉、俺たちが小さい時、祖父に教えてもらったんだ。」




瑠衣と同じ微笑みは、見ているだけで胸がいっぱいになった。




「瑠衣はさ、その時はもう美幸ちゃんが好きだったからさ『これ、美幸に教えるんだ』って言ってた。」




どうして、いなくなったんだろう?



どうして、死んだのは、優しい彼だったのだろう?




あの事故で唯一の死者になった彼。