私は、遊園地の出口に向かった。



もう少しで出ようとした時




「美幸?」



ちょうど飲み物を手にした、瑠衣に出くわした。





「ごめん。やっぱり帰る。」



泣きそうな顔を見られたくなくて、俯いたまま歩く。




「待て。そんな泣きそうなのにほっとける訳無いだろ。」



「瑠衣…。」



私の抵抗は虚しく、涙に気付かれた。





「俺も帰るよ。送ってく。」



「別にいい。瑠衣は楽しいんできて。」




瑠衣も折角、入場料払ってんのに、こんなに早く帰りたくないでしょ?





「無理。美幸を1人にはしたくない。」




即答で断ると、瑠衣は私の手を握って出口へと歩いた。




瑠衣は、いつも優しい。