その夜、瑠衣に電話した。




『じゃあ、離婚することになったんだな?』



「うん。」




『美幸は、それで良かったのか?』



「お父さんに会えないのは、今までと変わらないし、お母さんが前を向いてくれたから、満足だよ。」




『そっか。俺は、美幸を信じてたから。』



その言葉が、すごく嬉しかった。



瑠衣は、私を信じていた。




「瑠衣のおかげだよ。ありがとう。今度、何かお礼をするね。」



『おう。じゃあ、名字は変わるのか?』




「ううん。」



『え?』




「だって、お母さんの名字もお父さんの名字も、『相川』だったんだもん。」




『すごい偶然だな……』