「お父さん……いえ、昌司 (しょうじ) さん。」 「なんだい?」 「離婚をしましょう。」 あまりにあっさりとした言い方に、私もお父さんも驚きを隠せない。 「………あ、あ。」 驚きを隠さないまま、お父さんは頷いた。 お母さんは、冷静だった。 何かを吹っ切れたようだった。 「親権は、私で構わないですよね?」 「ああ。」 お父さんは、もうただ相槌を打つだけだった。 「…--それでは、今度こちらの判を押して、そちらに輸送します。」 お父さんの住所を聞いて、お母さんは終わらせた。