瑠衣は、頭を撫でるのをやめて、私を抱きしめる。




座った状態で、お互いに抱きしめ合うと、いつもより心臓の音が聴こえた。






「瑠衣、ドキドキしてる?」




「突然、何だよ。俺は、美幸といる時はいつもドキドキしてるんだよ。」




表情は見えないけど、瑠衣が優しい声音で言う。





「どうして?」




「美幸のこと好きだからに決まってんだろ。」




一緒だ。




私も瑠衣といる時はいつもドキドキしてしまう。




「私も一緒だよ。ドキドキしてるの。」




「そっか…。」




瑠衣の声が嬉しそうで、思わず顔をあげる。




「あ……」




瑠衣の顔は、赤くなっていた。




「…見んなって。」



瑠衣は慌てて、私の顔を自分の胸に押し付けた。