家の近くの路地。 俺に抱きつきながら、泣いて『好きなの』と言う美幸。 その姿が、今までのどの時よりも、愛おしく見えた。 「俺も大好きだ。」 心の底から、美幸だけを想っている。 正直、優也のことは心配している。 いつ美幸を奪われてしまうか、怖くて仕方ない。 それでも、美幸の『好き』という言葉で救われる。 俺は、こんな美幸だから、惚れたんだ。 「美幸、おいで。」 美幸の手を握り、家へと歩く。