何故だろう。 お父さんのこと、優也のこと… その不安が瑠衣の前だと上手く隠せなくなる。 「あのね、瑠衣。」 「何?」 「……っ、辛いよ。」 瑠衣の家の近くの路地。 2人以外、誰もいない中、私は呟いた。 「ねぇ、瑠衣。助けてっ」 瑠衣は、私を抱きしめた。 「美幸、何があった?」 「お父さんと会ったの。」 瑠衣は私の頭を自分の胸に押し付けた。 「全部受け止めてやるから、全部話して。」