ダンッ



気が付いたら、美幸を壁に押し付けていた。



「優也……?」




美幸の目に微かな恐怖が浮かぶ。




美幸を怖がせたことは理解しているものの、気持ちが止まらない。





「なぁ、美幸。」



「な、何?」



「どうして、瑠衣と付き合うんだ?」




どうして、前に進んじゃったんだよ?



俺は、お前にずっと立ち止まっていて欲しかったのに…




「どういうこと?」



「何で、俺を待たなかった?なぜ、瑠衣の所に行っちまったんだよ。」




美幸の両手を俺の両手で、壁に押さえたまま、



俺の気持ちが高まる。





「何、言ってんのよ……最初に、優也の方が約束を破ったんじゃない…」



「ちげぇーよ。」