「笑うなって。で、何で追いかけられてたんだ?」
「あの子たち、瑠衣のファンなの。」
瑠衣……か。
美幸が他の男の名前を言うことにイラつく。
「ふーん。」
「ふーんって……」
こうやって普通に話しているのだって奇跡なのに…
今だって、願っている。
触れることが当たり前だった昔のようになりたい、と。
美幸のことになると、今も昔も強欲になってしまう。
触れたい……
「瑠衣って何気にモテるんだよね。」
だから、なんだっていうんだよ?
「美幸、瑠衣と付き合ってんだろ?」
「え?知ってたの?」
驚きと戸惑いの表情の美幸。

