美幸のこと、本気で好きだから、
美幸が悲しむことをしたくない。
優しくキスをする。
「美幸、好きだ……」
「うん。」
美幸の口から「好き」なんて言葉は期待しても無駄だってわかってる。
俺が無理矢理、彼女にしたんだから。
そう思うと、胸がたまらなく痛い。
偽物の彼女という存在が、俺の心に刺さる。
それでも、俺だけを見て欲しいんだ。
俺だけのものになって欲しいんだ。
お前からの愛が欲しいんだ。
俺って、強欲なんだな……
それでも、大好きだから。
俺は何度も伝える。
「美幸、好きだ。」
優しいキスを繰り返しながら、美幸の頬を撫でる。
「…………好き。」

