「あっ!お前それ俺の!」

「譲れよ!!」


亮我と悠樹が何やら奪い合いをしている・・。

何を奪い合ってるかって?

実は・・・ただのポッキー。

なんつー奪い合いしてんの。

最後の1本だからって。

そんなに熱くならなくたってねぇ?


『ジャンケンでもすれば?』

「だってよ、亮我!」

「しかたねえな!」


2人は体の前に手を構えて見つめあう。

・・・睨みあうのが正しいかもしれない。


「「ださなきゃ負けよ!ジャンケンポンッ!」」


勝者は・・。


「はーっはっは!ざまみろ、亮我!」


悠樹だった。

亮我はすごいショックそう。

あらあら・・。

そんなことで落ち込むなよ。


「やっぱり俺お腹いっぱいだから亮我にやるよ。」


ポッキーを亮我に差し出す悠樹。

なんだかんだ言っても悠樹は大人で優しいな。

それを膨れた表情で見つめる亮我。


「んじゃ、立香にあげる。」

『え?』


悠樹から受け取ったポッキーを私に差し出す亮我。


「なんか・・負けた気がするし。立香が食べるなら問題ない!」

「俺もー。りっちゃんが食うならいいよ!」