「り、立香?!は、ハンカチ・・・。」


亮我は戸惑いながらポケットからハンカチを取り出した。


『これって・・。』


亮我が取り出したハンカチは・・。

黒いハンカチ。

初めて逢ったときにあたしに貸してくれたハンカチ。


「なんか・・。立香に貸してからお気に入りになった。立香が洗ってくれたからかな?このハンカチだけなんか温もりがある気がする。」


亮我は・・。

きっと人の温もりとか愛情に敏感だ。

愛されて来なかった分の愛を求めてるのかもしれない。

あたし・・。

きっと、亮我の傍にいたい。

たぶん・・・・・・。

悠樹より傍にいたい。

でも、わかるのが遅かった。

悠樹を傷つけたくないよ。

亮我への気持ちがわかるのと共にあたしは胸の痛みを覚えた。