中山はかなりの気分屋ではある。 授業中は勝手に立ち歩き出て行ってしまう。 さらには勝手に人のモノを奪ったりし、壊す。 教師に叱られればお決まりのごとく “気分だよ” の一言。 ある意味危険な奴だ。 なんの悪びれもないからこそたちが悪い。 「でも、帰りたい気分になってきたから帰るよ。」 中山はそう言うと何人かの仲間と帰っていった。 教室に残されているのは俺と岬だけになった。 やっと帰れる。 そう安堵したときだった。