「嫌い…ってさ、なにを根拠に言ってるの?」
口元だけ笑っているその顔は、なぜだかわたしを凍りつかせた。
なんでそんな顔するの?
わたしが答えられずにいると、相馬は視線をずらして言う。
「ほらね。相手のことあまり知らないくせに嫌いとか言っちゃだめだよ。」
その顔はどこか切なそうだった。
「うん…ごめんね…」
なんとなく気まずい空気。
どうしよう…悪いこと言っちゃったな…そう思ってると、わたしの手からホッチキスが奪われた。
「お前おっせーな。」
そういってわたしよりも早く作業をしていく相馬。
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