だれもいない教室で、わたしは1人、ホッチキスを動かしていた。 今日は暇だったし、先生の役に立てるならまぁいっか。 そう思ってると仕事もだんだん楽しく思えてくる。 けどさすがに量が多く、なかなか終わらないなーと思いはじめたときだった。 「あれ?九条じゃん。」 廊下からこちらをのぞく顔。 それは相馬だった。 「あ…相馬……くん…」 相馬相馬と呼んでいたため、つい呼び捨てにしてしまいそうだった。