「とりあえずもう帰るぞ。危ないから送ってく。」
「あ、ありがとね。」
でも、もし彼がここを通りかかったなら…人が寝てたら起こすよね?
てことは誰も通りかからなかったのかな。
わたしはしょぼーんとしながら爽多のうしろをついていった。
校門を出て、爽多がはっと思い出したかのように言う。
「そういえばさ…俺がくる前、人がいたんだよね。
そいつ、夏菜の寝顔じーっと見てたから怪しいなって思って俺が話しかけたら…
あいつだった。」
「え、あいつ…?」
ちょっとドキドキしながら爽多に問う。
爽多には昨日の彼のこと話してないから、その人のこと知らないはずなんだけど…
もしかしたら、と期待してしまう。
けど爽多の答えは意外な人だった。

