「でも…もう1回ちゃんとお礼いいたい。それで友達になりたい。」
「あんた友達でいいの?」
「友達じゃなかったら何になるのよ…」
「そりゃあ…カレシでしょ」
その言葉にわたしの顔は赤くなる。
「ちょ…!まだ恋愛もしたことがないわたしがカレシなんてそんな!
友達でじゅうぶんだから!!」
これは本音だった。
わたしは、ただ彼と話せればいいかなと思っていた。
「てゆーか後ろ姿になんか特徴とかなかったわけー?」
そう言われて昨日のことを思い出してみる。
手を振り返してくれたときの綺麗な手、肌は小麦色で…
そんな肌によく似合った少し茶色がかった髪の毛。
「これといって特徴は…ないかも…」
せめてお礼いったときに彼が振り向いてくれてたらなあ。
わたしの言葉に藍もわたしもため息をつく。

