「出来たって?」


「ほらほら、ここにゆーちゃんの手いれてごらん」




りんちゃんが指したのは、砂の山(りんちゃんいわくお城)の入口。


こんなところに手いれても、汚れちゃうだけだよ。砂がついて、気持ち悪いよ




「ほら、早くー」




嫌だったけど、りんちゃんのお願いを断ると、すっごい怖いの!後ろから鬼が出てきて、なんかもう、すんごい、すーっごい怖いの!地獄って、きっとこういうとこだ!って感じなの!




だからりんちゃんから鬼が出て来ないように、手を入れてあげることにするよ。



ぜったい私の方がりんちゃんより大人だもん。


だからカイトくんのお嫁さんになるのは私だもん。妹のりんちゃんにはゆずらないもん!





「手、入れたー?」


「うん、入れたよ。」


「ふふふ、じゃあ・・・それー!!」




うわぁ!お城の中の手が引っ張られた!




「あはは、ゆーちゃんどろんこー!」


「りんちゃんのバカー!お顔もどろどろ!うわっ!お口の中に砂入っちゃった!うわー!ぺっぺっ」



もうさいあくだ!


りんちゃんに引っ張られてお顔ごとドテーンってお城に突っ込んじゃったじゃん!



「もう!りんちゃん!」



うわ、目にも砂入っちゃった!痛い痛い!前見えない!



「りんちゃん、お目目痛いよー」



………



「あれ、りんちゃん?」



目をつぶってて、どこにりんちゃんがいるのかわかんないのに、お返事もしてくれないなんてひどい!



「もう、りんちゃんったらー!どこー?お目目が…」


「きゃあ!やめて!離して!!」


「り、りんちゃん!?どうしたの?何があるの?見えないよ」




「やだっゆーちゃんっ逃げて!」


「りんちゃん…?」




ガシッ