「翔太ー、翔太ー」
そこにちょうど翔太くんを呼ぶ声が聞こえてきた。
「藤村さん、こっちです」
翔太くんは、声の主のことを呼んだ。
「翔太、探したわ」
そして、30代前半くらいの女の人がやってきた。
スーツに身を包んでいて、長い髪を後ろで一つに束ねられていてメガネをかけている。
その人は、できる女性のようなかんじがした。
「翔太に、女の子……?え、しかも翔太ほっぺ赤いし」
藤村さんという人は、状況がつかめないのか驚いている。
「何かよくわかんねーんすけど、俺こいつに殴られたんですよ」
そう言って、肩をすくめた。


