「そーだけど?」 何か文句ある?って言いたそうな表情で私のことを見返してくる。 「本当に、本当に翔太くん?」 「だから、そうって言ってんじゃん。しつけーな!」 そして、何度目かの溜息をついた。 「嘘、顔が似てるだけで別人だよ。双子とかさ……」 私は、テレビとの違いにびっくりして信じたくなかった。 私の知っている翔太くんは、優しくてかっこよくて完璧だから。 「は、俺一人っ子だし」 そう言うと『ちぇ』って、舌打ちをした。