「そんなに早く決めなくても……」 先生は、溜息をついた。 「もし、助からなかったらって考えてしまって……」 ぐるぐると頭の中に色んな考えが浮かんでくる。 「……」 先生は、何も言わず私のことを見ている。 「だって、手術して助からないより手術しないほうが長く生きられるし」 「俺は、手術をうけてほしい」 そして、手をぎゅっと握られた。 「こわいの、先生ずっと私のそばにいて……」 たぶん、消え入るような声だったと思う。