片想いのカタチ *短編集*



そして、幸せな時間は過ぎてお兄さんが帰る時間になった。



「俺、そろそろ帰るね。元気でね、花純ちゃん」



私の瞳から涙がツーって流れた。そんな私のことをお兄さんは抱きしめてくれた。



「大丈夫、絶対また会えるから」



何故かお兄さんの言葉を聞くと、また会えるそんな気がした。



「だから、笑って。花純ちゃんの笑顔見せて?」



「うん、わかった。花純笑うよ」



私は、思いきり笑った。涙でぐしゃぐじゃな笑顔だけど



「花純ちゃん、いってくるね」



「いってらっしゃい、頑張ってね!」



今度こそ、上手に笑えた。きっと今までにないくらいの最高の笑顔だと思う。