片想いのカタチ *短編集*



私が笑っているのを見て、お兄さんは悲しそうな表情になった。


「花純ちゃん、俺もう病院来れないんだ」



一瞬、何を言ってるのかわからなかった。頭を叩かれたような気分だ。



「え、何で?」



私は、疑問に思って聞いてみた。



「春から県外の大学に行くんだけど、その準備とかあって」



「いつ行くの?」



「卒業式が終わって何日かしたら。だから、2週間後くらい」



突然で、私はもう何が何だかわからなかった。



「もうすぐだね」



今にも泣き出してしまいそうになった。



「だから、寂しいけどここへ来るのは、今日で最後なんだ」



お兄さんは、俯いてそう呟いた。