片想いのカタチ *短編集*



「だめよ、まだ学校には行けないの。ごめんね…」



お母さんは、目を潤ませながら申し訳なさそうにそう言った。



「何でよ!お母さんのバカ!」



学校に行けないって言われて何だか少し悲しくなった。



そして、私はベットから降りて病室を出た。


私は走った。どこに向かうわけでもなく、ただ病院から抜けだしたかった。



「花純、待ちなさい! 走っちゃだめ…」



お母さんは、私を追いかけながらそう叫んでいるのが聞こえる。


だけど私は足を止めることはなかった。