ホテルで救助を待つ4人はいろんなお仕事をしていた。
そんな4人をちょっと覗いてみましょう。

「ん、なんだこれ」
竹本は、落ちていた紙をひろった。

「ぼくの・・・初こい?」
名前の欄には、梅沢の名前が書かれている。

「平仮名ねぇ・・・なんでこんなところに」
少々の疑問はあったが、読んでみることにした。

『ぼくの初こい 5年 梅沢孝司
ぼくの初こいは、旅行のときに出会った一つ年上の女の子です。4年生のとき、ぼくは旅行していた場所でまい子になりました。不安だったぼくにやさしく声をかけてくれたのは、その女の子です。どうしたの?大じょうぶ?どこからきたの?と、ぼくの背が小さいのをいいことに子供あつかいしてきたその子は、ぼくをまい子センターに連れていってくれた後も、大じょうぶ!こういうのはなれてるから!とおせっかいをやいてくれました。不安だったぼくは、この子のおかげで不安ではなくなりました。そんな明るい人がぼくは大好きです。
また会えたらいいなぁと思いました。 』

「初恋が4年生って・・・ませてるな、最近のガキは」
現在38歳手前の竹本は、まだ恋という恋はしていない。この顔から付き合った人数は多かったが、誰も長続きせず、恋愛感情もわかなかった。

「俺の初恋はいつになるんかなぁ」
なぜか梅沢がとても大人に見えた一日だった。