呆気なく私の右腕からは血が流れ、土路
に流れ落ちた血で濡れる。
斬られる少し前に右側の男の存在に気づ
いた為、傷はそこまで深く無いようだが
、多量の自分の血に身震いした。
しかし、今はこの腕をどうこう言ってい
る場合ではない。
まだ、目の前には敵が居るのだから。
動きの鈍くなった右腕に握る刀を鞘に仕
舞い、左手の刀だけで応戦する。
右に比べて少し鈍いが、目の前に居る奴
らよりは強いだろう。
私は私の右腕に刀を入れた奴を思いっき
り切り倒した。
その時、右腕に振動が伝わり激痛が走る。
どうして私はこうまでダメなんだろ....
どうしてこんなにも不幸を呼び寄せてし
まうのだろう...
結局今も昔も中身は変わっちゃいない。
もっと、もっと、自分を追い込まなけれ
ば強くなる事は出来ない…
そんな事を思いながらも右腕の痛みを堪
え、目の前の敵を一気にをぶった斬る。
辺りからは斬られた者の呻き声が聞こえ
た。
私は不幸を呼び寄せてしまう。
だから、両親も先生も...この右目も....こ
の状況も....
これ以上浪士組の皆を私の不幸事に巻き
込む訳にはいかない。

