斎藤の声に驚いてた隊士達であったが、

まわりの死角から出てきた敵を見て身構

えた。



紋からして長州だろうか。

敵の男達が抜刀し一斉に掛かって来たの

で此方も素早く抜刀し攻撃を交わす。


しかし、此方が8人なのに対し向こうは1

5人も居る。単純に1人が2人の相手をせ

ねばならぬぐらいだ。




こちらの隊士達も弱い訳では無いが、苦

戦して居る様に見える。



.....さっさと片付けてしまおう。

長州の者と長い時間同じ空気を吸うのは

とても不愉快だ。



「貴様ら...殺す。」


私はもう一本の刀も抜き目の前の敵を次

々に斬って行く。


急所を狙って刀を振るので、敵は呆気な

く倒れていった。


もう、右目を失った夜の様な事は繰り返

さない。だから一撃で仕留める。


長州の者を見ると血が騒ぐ。

殺す....

殺す.....


殺す....


二本の刀を起用に使いながら、戦う事数

分。


ついに、15人も居た敵も残っているのは半分以下だ。



この時私は血に当てられて目の前の敵を

殺る事しか考えられてなかったのだろう





しかし、私の視界は狭い。

私は右側で刀を振り上げた男が見えて居

なかった。





わずかな気配を感じ気づいた時にはもう

遅い。

間一髪で避けようとしたが、反応が遅れ

避け切れなかった。



「......っ!」