華の欠片




そんな数分の時間も束の間、背後に鋭い

殺気を感じた。

まだ繋いだままの手に自然と力が入る。




きっと斎藤は手を離すのを忘れていたの

だろう。

だけど、斎藤の手を握った私の手を斎藤

は握りしめ返してくれた。



....ん。

今気にする事じゃないけど、隊士達は私

を男だと思ってるから、今斎藤さんと手

を繋いでると完全に男色とやらいうやつ

ではないのか…?

いらぬ誤解を受ける気がする…



いやいや、私は何を考えてるのだろうか。

駄目だ。集中せねば。

今こんな事を考えてる暇はない。


「ざっと15人ほどだろうか。戦えるか?」



ふと斎藤が私に耳打ちをした。

斎藤もこの殺気に気付いてたのだろう。

それに私は頷く。



すると、斎藤はいつもの斎藤の声とは思

えないほどの大声を張り上げた。





「おぃ。そこの輩ども、出て来い!そこ

にいる事は分かっている。」



隊士達の中には気配に気付いてたモノも

居たがほとんどが気付いて居なかったら

しく、いきなりの斎藤の大声に吃驚して

いた。