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道場には春らしい心地よい風が吹き込む

事などなく、隊士達の熱気であふれてい

る。






今は男装をしているため、沖田みたく妙

に鋭い人が居ない限り女だという事はば

れないだろう。





「椿さん。この竹刀を使って下さい」





「あゝ、ありがとう。」






竹刀を渡してきた沖田に礼を言い、竹刀

を握る。






沖田は道場に入ると、先ほどの巫山戯た

態度とは打って変わって真剣な目付きに

なった。


まるで獲物を狙った肉食獣のような。



「では、手合わせ願う。何度も言うが、

私が女だからといって手を抜くと痛い目

にあうぞ。」







「分かってますよ。僕も本気でいきます

。斎藤くん審判お願いできます?」






「あゝ。出来れば俺も手合わせしたかっ

たのだがな、審判くらいならしてやろう



里原…次は俺と手合わせ願いたい。」






「ありがとうございます。ではまたの機

会にでも....」





「あゝ」





ーー両者構え...始め......ーー






斎藤の掛け声にて試合が始まった。