私が目を冷ますと暗くて土臭い部屋にい

た。

きっとここは何処かの倉か何かだと思う。




身体を起こそうとするが、右目から頭に

掛けて激痛がはしり起き上がる事すらで

きない。

でも、一応手当はしてあるみたいだ。





ここは暗くて何も見えないが、きっと私

の右目の視力はもう無いだろう。





すると、ふいにこの暗い部屋に光が差し

た。誰かが部屋に入ってきたらしい。




「やっと目が冷めたか。

貴様には聞きたい事が山ほどある。」




左目だけのぼやけた視界と少し空いた扉

からの薄光で声のする方を見上げると見

た事のない髪の長い美しい顔の男がいた。




「率直に聞く。貴様は長州の者か?それ

とも何処かの組織の間者か?」




「ち....がぅ....。」




頭に響いて声が上手く出せない。激痛を

堪えていると涙が出てきた。それがまた

、右目にしみると余計に痛くなる。





まるで生き地獄だ.....。

足掻けば足掻くほど苦しくなる。





「じゃあ、何故あんな時間に出歩いてた

んだ?

何故そんなに強い。」




あゝ....もうだめだ。意識を保っているの

で精一杯。

こいつの質問に答える気力など残ってい

ない。

おまけに吐き気までともない冷や汗が額

に浮かぶ。




そうして、目を閉じると男の持っていた

竹刀が腹部を直撃した。

あまりの衝撃に私は咳込みその小さな動

作すら頭に響く…




「質問に答えろ....

さもなければ、貴様の命はない。」




だからそんな事言われても、あいにくそ

んな気力と体力は残っていないのだと言

いたい所だが、あいにく言葉を伝えるこ

とも出来ない、