「あの海堂先輩が追いつけないなんて……どんだけ逃げ足速いんだ、ユイロ先輩」

「だね」

席に戻ってくるなり私たちはくすくす笑った。

「海堂先輩もユイロ先輩も、たしか陸上短距離で県決勝までいって_____ッあ!」

「え!?何!」

世が急に大声を出したので、肩がはねた。

「えっと、ユイロ先輩の元か___」

キーンコーン。

世の言葉はタイミング悪くもチャイムに遮られた。