が、いきなり身体は締まらないので、ひとまず身だしなみから整えていくことにした。

明るくなった髪に丁寧にアイロンをかけ、ストレートにしてみた。

グレー地のチェックスカートを2回ほど折って、品よく短めに。

今までスクールソックスだったのを、紺ハイソに。

茶色のローファーもピカピカに磨いてある。

ミントグリーンのシャツは長袖の腕をまくり、リボンをゆるめる。

最後に、開けられたことのない第一ボタンを外して、シルバーのプチネックレスを覗かせる。昨日小田桐君にもらったガラスの靴。

胸元でそれがキラリと光るたび、自信が増していく気がした。

「うん、よし。かわいい」

姿見とにらめっこして、はっきりいい放つ。
おまじないみたいなものだった。
まずは自分で自分を認めること。

人間、自信があってこそ輝くんだ。

いつか本物の自信をつけるため。はじめは、嘘でも自惚れでも、なんでもいい。

とにかく、自分で自分を否定したりは絶対しないことだ。