自分で言っちゃうだけあって、特技のサッカーは体育の授業中、クラスメイトたちを虜にした。
現役のサッカー部員を何人も抜き、マークをするりとかわし、ゴールを決める。
その鮮やかなプレーは見ているだけでわくわくしてくるようだった。
あんなしなやかな身のこなしが私にもできたらいいのに。
サッカー部の熱烈な勧誘を一身に受けるも、彼はあっけらかんと
「え?やんないよ、オレ」
の一点張り。
自分の才能、わかってんのかな。
もったいない。
__輝ける才能をもてあましてる人は、もったいない。
私にはないものだから、そう考える……。
女子の短距離走の合間に、ちらりと盗み見た小田桐君の横顔は、すでに輝いていて__……
でもなんだか、まだそれが足りていないように見えた。



