「ん?」
「すみません、勝手にお邪魔して…」
あぁいいよ、と彼が髪をかきあげると、おでこまで露になる。
え……
どこかで見たような、
というか……
「おまえ……琳だよな?仁科琳」
やっぱりそうだ!!
「…隼香[はやか]さん」
「よぅ、久しぶりだな。ちゃんと元気にしてんのかよ」
「たった今、元気になりましたよ!」
すごい。
すごい偶然だ。偶然って呼べるかな。
「えっ、ちょっと待って、何?なんで再会してる感じなの?」
「そりゃまー、コイツは俺がモデルとして育ててやってたよーなもんだしな!」
2年前と変わらず筋肉質な腕で、隼香さんは私の肩を組んだ。
どしっ、とした重みが肩から落ちてくる。
私が拒むことも、驚くこともない。
「なっ……!」
その言動を見て驚く小田桐君がなんだか可笑しくて、笑ってしまった。