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「けど急に引退しちゃうし、もう会うことないよなぁーって思ってたから、転校先で琳ちゃん見つけたときはマジでビックリしたって」
ケタケタ。
目の前に座る小田桐君は笑っている。
…いつもと何ら変わりない笑顔で。
長い話を聞き終え、私はもはや火照る頬を隠すのも諦めていた。
どんだけ「好き」をアピールしてくるの。
身体が熱を持ちすぎて、心臓がばっくと跳ねている。
真っ向から話してくれる人は久し振りだった。
しかも、彼は異様なくらいに。
動機が収まらないうちに、小田桐君がすっと目を細める。
「嬉しかったよ。もしまた会えたら絶対告白するって決めてたから」
こっちの気を知ってか知らずか。
「えっと…でもあの、私」
「今はいいよ。返事はいらない。オレが告いたかっただけだからさ」
満足げに微笑む頬がすこし紅潮していて、
また身体の奥できゅっ、と音が立った。



