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光南高等学校、西校舎、4F非常階段前。
古ぼけた引き戸一面に、何やら派手な落書きが施されている。
どうやらこれが、我が校に人知れず存在する『デザイン部』の部室らしい。
「……こんなとこ、あったんだ」
呟いて戸をノックするも、返答がない。
開けてみると、
想像より広めの室内に1人の男子生徒がいた。
布やらマネキンやら、ミシンや机やらで賑かな部室の真ん中の大きなテーブル。
そこで模造紙のような紙を広げ、こちらに背を向けて作業していた彼は、私に気づいて振り返った。
「誰?」
大人びた顔立ちで無表情に聞いてきた。
入り口に立ちっぱなしだった私は、
「あ、あの、小田桐君にここに来るように言われて……」
冷たい感じのする彼にちょっとビビりながら答えた。
___そうなのだ。
理科室でチャイムを聞き、ひとまず話を切り上げて教室に走った私たちは、ばっちり遅刻した。
クラスメートたちの「なんでこの取り合わせなんだ?」という視線を受けながら、
少し荒い息を席で整えていると、急に4つに折ったメモが飛んできた。
飛んできた方、斜め後ろを見ると小田桐君が息を切らすようでもなく、ニコニコしてメモを指差している。
メモを開くと、
《昼休み、デザイン部の部室に来て。
場所は、西校舎4階、非常階段前。
来ないと問答無用でモデル決定!
セツ》



