「まーくん!!あたし、次、プリとりたーい!」


場所はかわって、ここは渋谷。ただいま午後9時。



「はいはい、仕方ないね、麻友。んじゃ、撮ろうか。」



「やったー!!マー君やさしい!」


仲のよさそうなこのカップル。その様子を、裏で見ていた者がいた。



「うまくいっているようだね、里田先輩!」

ストライプ柄のシャツに、ショーパンをはいた理香子が言う。



「だね。まさか、自分の彼氏が、娘と付き合ってるなんて、思わないよねー。」



友加里が口の中で飴玉をころがしながら言った。




「ふっ。あんたたちの作戦って、こーゆーこと?ほんと、子供みたい。」




「あ!なんか、正一さんのケータイに着信が入ったみたい!」



「たぶん、お母さんじゃん?今頃家には、写真がとっくにあるはずだし。」









「麻友!!ちょっとごめん!電話入ったから、電話してくるよ・・・。」



まーくんこと正一は、プリ機があるゲーセンをでた。