ピンポーン
「はーい」
そんな声と共に、ガチャリと鍵が開く音。
「どちらさ……え?」
ドアから顔を出したアイツが、俺を見て固まった。
「………し
新藤慧!?」
「…元気そうじゃねーか」
「いやー…それほどでも…」
段々小さくなる声とゆっくり閉まっていくドアに
「おい」
俺はガッと足を滑り込ませた。
「な、何!?なんか用!?」
「お前この俺様のラインを仮病でシカトしやがって、ただじゃおかねぇ」
「仮病じゃないって…わっ」
俺は奴隷女を無理矢理押し退けて中に入った。
「ちょっ不法侵入で通報するよ!?」
「うるせーな、わざわざ来てやったんだから茶くらい出せや」
「あんたね!あたし一応病人…」
ふ、と途切れた声に振り向くと
「っおい!?」
アイツがフラリと、倒れ込むところだった。



