昼休み。
「葵くん、よかったらコレ一口食べない?」
「え?いいのきみちゃん?ヤッター♪」
「はい、あーん♪」
「あーん♪」
…なぜか目の前でイチャついているコイツら。
「お前らウゼーんだよ!どっかヨソでやれ」
「もうそんなイラつかないでよ慧?自分がアヤちゃんとイチャつけないからってさー」
「違うわ黙れボケカス」
あー…イライラする。
つーか喉乾いた。
「おい、どれ…」
…そうだ今日アイツいないんだった。
「食べないの慧?メロンパン」
「……」
食べかけのそれを葵に押し付け、立ち上がる俺。
「だりぃ。帰るわ」
「ふーん?」
葵はカバンを持って歩き始める俺を見ながら、パクリとメロンパンを齧った。
「アヤちゃんによろしくね?」
「…だから見舞いなんて誰が行くかバーカ!!」
…コイツは変なところで妙に鋭い。



