連れていかれた世界は。
「…やっぱ帰りたい」
「は?ダメに決まってんだろジャガイモ女」
なんだか恐ろしくキラキラしていた。
恐ろしく綺麗な女の人も
それを紳士にエスコートする男の人も
豪華すぎる料理も
キラキラのシャンデリアも
明らかにあたしとは住む世界が違うものばかりだ。
まっ…眩しすぎて前が見えない!!
「…何やってんだお前」
入口で立ち尽くすあたしを、怪訝そうに新藤慧が振り向く。
「…だって明らか場違いだし…」
物凄く浮いてるのが嫌でも分かる。
そんなあたしに、新藤慧は呆れたようにため息をついて。
「ヘンにウジウジしてんじゃねーよウゼェな」
「ウゼェ!?」
「俺のペアに選ばれたっつーんだからもっと堂々としてろ、ジャガイモ」
そしてあたしの腕を取ると
乱暴に自身の腕に絡ませた。
「!!
なっ何これ!?」
「うるっせいちいち大声出すなイモ!こーすんのが決まりなんだよ、しょーがねぇだろ!?」
「ってかそのイモっていうの止めてよ!!」
そしてあたしは引っ張られるようにして、ついに一歩を踏み出した。
キラキラ、ピカピカの世界へと。



