暫くして音もなく車が停まったのは
「…え?なにここ?どっかの王様の家…?」
バカデカい門の向こうに、バカデカい家。
とても普通の人間が住んでいるとは思えない…
「は?俺んちだっつーのバーカ。ま、あながち間違ってもねーけどな」
隣でムカつく笑みを浮かべながら新藤慧が言う。
…普通の人間じゃなかった。
「こっち来いっ!」
「痛っ!だから痛いって!」
車をおりてすぐ新藤慧に腕をつかまれ、乱暴に家の中を引きずり回される。
ってか何この廊下!!なんか光ってるよ!?え、大理石!?
「ここ入れ」
そしてある一室に乱雑に放り込まれた。
中には
「お待ちしておりました」
綺麗な女の人が5人ほど並んでいて、その人たちが一斉に頭を下げてくる。
「これがさっき連絡したイモ女だ。なんとか見れるようにしてやってくれ」
「かしこまりました、慧様」
恭しく奴にもう一度礼をして、なぜかガシッとあたしの腕をつかむ女の人。
「え!?」
「じゃー奴隷、終わったら隣の部屋に来いよ、いいな?」
「ちょっと新藤け…うわっ!!」
奴を呼び止めようとした瞬間、背中のファスナーがごくごく普通におろされて。
「なっ何してるんですか!?」
「失礼ながら、こちらで用意したドレスに着替えて頂きます」
ドレス!?
「いっいいですドレスなんて!着たことないし!」
「そう言われましても…慧様のご命令ですので」
そしてパニックのあたしをよそに着々とワンピースが脱がされていく。



